刈払機の刃には、鋼鉄製のチップソーとナイロンコードの2種類があります。海外では安全性の観点からナイロンコード刈払機が主流ですが、日本の田舎では耐久性やコスト面を重視して、今なおチップソーが主流です。
筆者も田舎に引っ越してからずっと鋼鉄製のチップソーを使用して草刈りをしていましたが、最近、一部をナイロンコードに切り替えました。
今回は、実体験をもとにナイロンコードのメリットとデメリットをお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
チップソーとナイロンコードの一番の違いは、切れ味です。チップソーなら直径約3cmの立木でもスパッと切れるため、実際に樹木の剪定に使用する人もいます。しかし、この切れ味の良さにはリスクも伴い、育てている植木や人間の身体を簡単に傷つけてしまう可能性があります。
一方、ナイロンコードは、コードによって発生する風圧を利用して刈るため、刈る場所がよく見えます。育ちきった植木の場合、表面を削る程度で済みますが、木質化していないウドのような植物なら切ることもできます。
メリット
ナイロンコードの一番のメリットは、切り株や大きな石などの障害物がある場所でも、キックバックを気にせずに刈れることです。
特に役立つのが石垣です。ナイロンコードは柔軟性があるため、チップソーでは難しい石垣の隙間に生えた草もきれいに刈ることができます。
また、チップソーでは足場やキックバック(固い物にぶつかって、作業者側に勢いよく跳ね返る現象)を気にしなければならないため、作業が疲れやすいですが、ナイロンコードにはキックバックがなく、大怪我のリスクも低いため、急斜面や足元の悪い場所でも安心して作業ができます。
さらに、ナイロンコードは安価で交換が簡単なため、メンテナンスが楽で、比較的軽量なので女性にも適しています。
また、切断面が荒くなるため、草の成長が遅くなっているように感じます。
デメリット
ナイロンコードを使用すると、小石や小枝が飛び散り、痛い思いをすることがあります。そのため、長袖・長ズボンに加え、フェイスガードの着用が必須です。したがって、複数人での草刈りには適していません。
また、チップソーと同じ速度で刈ろうとすると、草が絡まりやすく、作業に時間がかかります。さらに、ナイロンコードは摩耗しやすいため、頻繁に交換する必要があります。特に硬い草や石に当たるとすぐに消耗し、千切れたコードがゴミとして残るのも気になる点です。
まとめ
ナイロンコード刈払機は、その安全性と扱いやすさから家庭用や軽作業に適していますが、使用環境によっては耐久性や効率に課題が生じることがあります。
ほとんどの刈払機はチップソーとナイロンコードの両方を取り付けることができるため、両方を準備しておくことをお勧めします。
基本的には、ガンガン刈りたい時にはチップソーを、丁寧に刈りたい時にはナイロンコードを使うと効果的です。