苫田ダムは、岡山県東部を流れる吉井川に位置する重力式コンクリートダムで、洪水調節、環境保全、発電、上水道、かんがい用水、工業用水の6つの機能を備えた、全国でも珍しい多目的ダムです。
40年以上にわたる激しい議論を経て、地元の人々の協力を得て、2005年4月に運用が開始されました。
この記事では、苫田ダムの特徴と密かに人気を集めている見学ツアーの内容について紹介したいと思います。
苫田ダムのデザイン
苫田ダムは、日本で初めて採用された「ラビリンス型自由越流頂」(満杯時に水があふれ出すジグザグ型の部分)を特徴とし、環境への配慮と美しさを両立させたデザインが施されています。
さらに、堤体だけでなく、管理庁舎、橋、トンネル、苫田鞍部ダムなどの周辺施設とも一体感が保たれており、全体的な調和が感じられます。
日本初のラビリンス型自由越流頂
苫田ダムのラビリンス型自由越流頂
左側には貯水湖があります。この構造により、堤体の高さを低く抑えることができています。
苫田鞍部ダム
このダムは、馬の背のように窪んだ部分から水が流出するのを防ぐために建てられたロックフィルダムです。ラビリンス型に大きめの石が並べられています。
世界初の引っ張りラジアルゲート
上でご紹介した日本初のラビリンス型自由越流頂に加え、苫田ダムは世界に先駆けて「引っ張りラジアルゲート」を採用しています。※「ラジアル」とは「放射状の」という意味です。
このゲートは、従来のものが弧の外側で水圧を受けていたのに対し、弧の内側で水圧を受けるように改良されています。
苫田ダムの引っ張りラジアルゲート
展示室には、開閉の様子を確認できる模型が設置されています。
以上が、苫田ダムの特に注目すべき特徴です!
苫田ダム見学ツアー
集合・説明(15分)
展示室で一般的なダムと苫田ダムについて、スライドを使って説明が行われます。
選択取水設備の見学
下流の環境に適した水質を選択するための設備です。
奥津湖側設備の見学
メンテナンス用の予備ゲートや水質自動監視装置などがあります。
堤体内設備の見学
各種放流設備、プラムライン、揚圧力計、地震計、排水設備などがあります。
ダムカードの配布・解散
展示室でダムカード(苫田ダムと苫田鞍部ダムの2枚1セット)とツアー限定の特典が配布されます。
※所要時間は約2時間のツアーです!階段が多く、滑りやすい箇所もありますので、歩きやすい靴でご参加ください<(_ _)>。
3分で読める!鏡野町の今を知る記事